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2025/03/08

年齢の数え方(満年齢、数え年)

先日檀家さんからの質問で、満年齢と数え年のことを聞かれましたので、このテーマにしました。

年齢を表す言葉として、私たちは普段「満年齢」を使っています。
しかし、厄年を考える時や寺社でご祈祷を受ける時には「数え年」を、また故人の年齢としては「享年」や「行年」というものも使います。
今回は、これらの年齢の意味や数え方について解説します。

1.満年齢とは
満年齢は、現在日本で一般的に使われている年齢の数え方です。生まれた日を0歳とし、誕生日を迎えるごとに1歳ずつ年を取ります。
例えば、2000年4月1日生まれの人は、2025年3月1日時点では24歳、2025年4月1日で25歳になります。

2.数え年とは
数え年は、生まれた日を1歳とする年齢の数え方です。満年齢との大きな違いは、以下の2点です。
生まれた日を1歳と数える
新年(1月1日)を迎えるごとに年を取る
数え年では生まれた時点で1歳となるため、0歳という概念はありません。また、誕生日に関係なく、毎年1月1日に全員が1歳ずつ年を取ります。
2000年4月1日生まれの人は、2025年3月1日時点で26歳、2025年4月1日時点でも26歳です。
また、1999年12月31日生まれの人は、生まれた当日は1歳、翌日2000年1月1日には2歳になる、という考え方になります。

なぜ生まれた年を1歳とするのか
諸説ありますが、一説には、ものを数える際の始まりに「0(zero、零)」は使わない、という考え方に拠るものとされています。
学校の学年も「1」年生から数えますし、「0」=「何もない状態」と考えれば、この感覚も納得できるのではないでしょうか。

3.享年とは
享年とは、故人が天命として与えられた(=享けた)寿命を全うした年数を示す仏教用語です。亡くなった人の年齢を表す際にのみ用いられます。
生まれた年を1年目とし、数え方としては「数え年」と同様です。そのため、一般的に使用する年齢(満年齢)とは異なります。
満年齢から享年(数え年)を計算するには、以下の方法を用います。
誕生日前の場合:満年齢 + 2歳
誕生日後の場合:満年齢 + 1歳

4.行年とは
行年も、享年と同じく亡くなった人の年齢を表す際にのみ用いる、仏教的な考えに基づく数え方です。
この世で修行をした(生きた)年数を示すため、「行年」は「満年齢」と同じ数え方をします。

5.近年の傾向
満年齢は、1950年に『年齢のとなえ方に関する法律』が施行されたことで使用されるようになったもので、日本の歴史のなかでは比較的最近になってから一般的になった数え方です。
その為、仏教においては今でも数え年を用いることが多いですが、お寺によっては行年を使用したり、満年齢を「享年」と表記したりと様々になっているようです。

御位牌に故人の没年齢を入れる際には、年齢表記に決まりはありません。
馴染みのある表記を選んで問題ありませんが、どのような表記が良いか気になる場合は、お世話になっているお寺があれば直接聞いてみるのが安心です。

〔年齢計算ツール〕
生年月日と没年月日を入力して、満年齢と数え年を確認でき便利です。
こちら

(私の父母の位牌です。母は71歳、父は88歳で亡くなりました。位牌の裏書にはこのように示されます。)


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