コラム
2024/09/24
お身内が亡くなった時にすべきこと
個人的なことですが、最近実の父が亡くなりました。
その時にいろいろと不安ながらこなさないとならないことがありましたので、今回このテーマにしました。
<お身内が亡くなった時にすべきこと>
ご親族が亡くなった際、ご遺族の方々は、数多くの手続きや段取りをこなさなければなりません。近しい人を亡くす経験は、人生でそう幾度も起るものではありませんので、何をしたらよいのかわからず戸惑われる方も多いでしょう。
今回は、ご遺族の方々がスムーズに葬儀の手続きを進めるための基本的な流れを解説します。
1.死亡の確認と死亡診断書(死体検案書)の発行依頼
どなたかが亡くなった際には、まず確実に死亡していることの確認と、死亡診断書(死体検案書)の発行をしてもらう必要があります。死亡診断書は、死亡届の届け出に必要になるもので、死亡届が済んだ後でないと火葬はできません。
死亡の確認をしてもらうために最初にとるべき行動は、どこで亡くなったかによって異なります。
① 病院で亡くなった場合
病院で亡くなった場合は、医師から死亡の宣告を受けます。
恐らくほとんどの医療機関には死亡診断書の用紙が用意されているので、そのまま医師に依頼すれば死亡診断書を発行してもらえます。
② 自宅で亡くなった場合
自宅で亡くなった場合には、病気療養中であったか、死亡していることが明らかかなどの状況によって連絡する先が異なります。
・病気療養中で、明らかに死亡していることがわかる場合
かかりつけ医に連絡をしましょう。医師に自宅に来てもらい、死亡確認が行われます。
・病気療養中ではない(突然死)などで、死亡していることが明らかな場合
警察に連絡をし、死亡した背景に事件性がないかの確認(検視)をしてもらいます。状況によっては行政解剖や司法解剖が行われ、死体検案書が作成されます。
・死亡しているかがわからない場合
死亡しているかの判断がつかず、まだ蘇生の可能性がありそうであれば、当然に救急に連絡して構いません。
自宅で亡くなった場合には、医師または警察が来るまでの間、遺体に触らないようにしてください。不自然な点があると、死因の特定に支障をきたす恐れがあります。
2.お寺への連絡
死亡が確認されたら、お世話になっている菩提寺へ亡くなったことを伝え、お葬式の日取りや戒名などについて相談をします。葬儀社の都合もあるので、僧侶に葬儀を執り行ってもらえる日をいくつか伺ったうえで葬儀社に相談するとよいでしょう。
この際、事前に葬儀社を決めていなければ、お寺から葬儀社を紹介してもらえることもあります。
また、最近は菩提寺のない方も増えています。インターネットで調べてみると、檀家でなくても葬儀や法要を受付けているお寺も見受けられますので、ぜひ近くのお寺に相談をしてみてください。
本昌寺でも、故人様やご遺族様の宗派に関係なく葬儀を受付けています(ただし、日蓮宗の教義に則った葬儀になります)。
3.葬儀社との打ち合わせ
葬儀社に依頼し、葬儀形式や日取り、会場などを決定します。
斎場(火葬場)の手配も葬儀社に行ってもらえます。
ひと昔前は、多くの弔問客が参列できる、いわゆる「一般葬」が一般的でした。
しかし、現在はライフスタイルや価値観の変化で葬儀形式にも多様性が生まれ、少ない参列者のみで行う家族葬も多くなりました。故人の生前の希望やご遺族の状況に合わせて選びましょう。
事前に相談している葬儀社があればよいですが、そういった準備がない場合には、お寺や病院で提携している葬儀社を紹介してくれることもあります。
本昌寺では、境内に家族葬のできる会葬ホール「ECO葬ホール」(運営会社:株式会社鈴清)があります。ご希望の方には、境内会葬ホールでの葬儀の手配をしますので、ご相談ください。
4.死亡届の提出と死体埋火葬許可申請
死亡診断書または死体検案書を受け取ったら、速やかに死亡届を市区町村の役所へ提出しましょう。死亡届の提出期限は、死亡が確認された日から7日以内です。
また、死亡届の提出と同時に死体埋火葬許可申請を行うことで、火葬許可証が発行されます。
一般的に、葬儀の後にそのまま火葬を行う流れになりますので、葬儀の日までにこの2点を必ず行うよう注意が必要です。
葬儀社が届け出を代行してくれる場合もあります。
5.訃報の連絡
親族や友人など、故人と親しかった方々に訃報を知らせましょう。
葬儀まで日が空く場合は、故人との最期の面会をさせてもらえる場合もあります。希望される方には、ご遺体の安置場所や面会可能時間なども併せて伝えておきましょう。
6.その他の準備・手続き
・お墓の用意
火葬を終えたご遺骨は、いつまでにお墓に納めないといけない、という決まりはありません。一般的には四十九日や百箇日、一周忌などのタイミングで納骨することが多いですが、お墓を探して建立するのに数カ月かかることを計算する必要がありますので、ご注意ください。
なお、長期間ご自宅に置いておいても問題はありませんが、将来家に置いておくことができなくなった場合に備えて、ご遺骨の行先は決めておくことが望ましいでしょう。
また、近年は、お墓を持つことを望まない方、お墓を持てない事情がある方も増えています。
本昌寺では、そういった方にもご利用いただける永代供養墓を用意しています。
・年金、保険(健康保険、死亡保険)、銀行口座、相続など
死亡届や葬儀以外にも、さまざまな手続きが必要になります。
なかには死亡から14日以内に済ませないといけないものもあり、心痛のなかで多くのことを決めなければなりません。
自治体の役所はもちろん、専門家に頼ることで、焦らず、一つひとつ丁寧に対応していきましょう。
なお、生前中に葬儀やお墓の準備をすることを好まない方もいますが、お身内を亡くされた直後に多くの手続きをこなすのは、ご遺族にとって体力的にも気力的にも負担になります。
また、事前に相談しておくことで、ある程度の内容と費用を比較することができ、より希望に沿った葬儀やお墓が用意できる、という利点もあります。
生前中に準備できることは、できれば早めに相談しておく方がよいでしょう。
※手続きの内容は、地域や状況によって異なる場合があります。