コラム
2024/02/17
本昌寺涅槃図について
2月 15 日はお釈迦様が亡くなり、悟りの境地(涅槃)に入られたとされる日です。
本昌寺でもお釈迦様ご入滅の様子を描いた涅槃図を毎年公開し、遺徳を偲んでいます。
*涅槃図に描かれるもの*
涅槃図は『涅槃経』に基づいて描かれる為、描かれる内容にはある程度決まりがありますが、
当然細部には描く人の個性が出ます。まずは定番のポイントを理解しながら見ると、より涅槃図への理解が深まるでしょう。
(諸説ありですが、、、)
こちらの写真は裏書です。
故人の追善供養の為に水引が奉納されたことと、その水引で涅槃図の表具を修繕したことが記されています。
文久三年は1863年。江戸時代は髪結いにも使う水引の需要が高く、年貢として認められるほどの高級品でした。
*本昌寺所蔵の涅槃図にある「珍しいポイント」*
ポイント① お題目が書かれている!
上部中央に、日蓮宗特有の “髭文字”で「南無妙法蓮華経」のお題目が書かれています。この独特な筆遣いは、万物を照らす仏法を表していると言われています。
ポイント② 猫がいる!
お釈迦様の死を悲しみ集まった動物たちは、絵によって描かれる種類が異なるものの、一貫して猫が描かれることは少ないと言われています。
その理由には諸説ありますが、よく言われるのは「摩耶夫人がお釈迦様を助けようと薬袋を天から落としたが、木に引っかかってしまった。薬を取ろうと鼠が木に駆け寄ったが、鼠を猫が追いかけてしまった為に薬を取れず、お釈迦様は亡くなってしまった。その為、猫は描かれない。」という説。
上記はあくまでも俗説ではありますが、元々仏教ではあまり猫を良いものとしていなかったことも影響しているようです。
因みに、平安時代に遣唐使が中国からお経を持ち帰る際、猫は鼠除けとして一緒に船に乗せられていたという話もあります。
本昌寺の涅槃図を描いた人は、日本仏教の陰の立役者でもある猫を哀れに思ったのか、単に猫好きだったのか...
可愛いですね。笑
本昌寺の涅槃図は、例年2月~3月頃に本堂で公開しています。
(具体的な公開時期はお寺にお問い合わせください)
追記*本昌寺の涅槃図猫に関してのブログです。ぜひご一読ください。こちら